多文化共生は単に国際交流を目的にするのではなく、生活人として日本人・外国人、正規・非正規、若年・高齢、障がいの有・無、所得の高・低に関係なく、人権が保障されて楽しく暮らせることである。
この大久保でアイヌの実状を知り、アイヌの文化に触れることの意義は大きい。去る6月5日に大久保地域センターで「大久保でアイヌ文化を!魂のうた・おどり・ことば」が開催され、100人以上の来場者がアイヌの文化を堪能した。当然のごとく外国人も姿を見せ、アイヌの文化に感動したようだ。
川村シンリツ・エオリパック・アイヌさんのアイヌの歴史と自身が体験してきたアイヌの実状を伝える話は大変説得力があり、来場者のこころを揺さぶった。筆者自身もこれまで本から得た知識とはまったく違う世界があるのに改めて気づかされた。
民族衣装を身にまとった、川村シンリツ・エオリパック・アイヌさん、杉村フサさん、太田奈奈さん、平田幸さん、工藤千秋さん、工藤真由美さん、工藤武彦さんのアイヌの言葉の歌とリズム、穏やかな踊りと激しい踊りが披露され、アイヌの文化に初めて触れた来場者は十分に堪能した。
若い来場者は、自分が知らないアイヌの実状を知って、言葉をふるわしながら「このような機会をもっとつくってほしい」と訴えた。
アイヌの存在を知っていても、これまでに本気で考えたことがある人は少ない。この日「大久保でアイヌ文化を」に参加した一般の方がそれぞれの地域に持ち帰ってアイヌの実情を伝えてくれることを期待したい。
江原 幸壱(共住懇)