2010年8月17日火曜日

投稿 埼玉人権教の総会での交流

 さる65日に、アイヌ・ラマット実行委員会が呼びかけて「先住民族アイヌからのメッセージPART2」に参加のために上京された旭川アイヌ協議会のみなさんと、埼玉県人権教育研究協議会また多文化共生に取り組む大久保(新宿)のみなさんとの交流会が行われました。1日に2か所という強行軍でしたが、素晴らしい交流がもてました。埼玉県人権教育研究協議会の石川 享助さん(事務局長)から感想が投稿されましたので掲載します。(大久保での交流会は後日掲載します)


「先住民族アイヌの歴史と権利回復」の講演から

6月5日(土)に行田市地域交流センターにおいて埼人教第35回総会並びに学習会を開催しました。特に学習会では、旭川アイヌ協議会会長でアイヌ・ラマット実行委員会共同代表の川村シンリツ・エオリパック・アイヌさんを招き、「先住民族アイヌの歴史と権利回復」と題してアイヌ民族の歴史や文化、そして様々な課題についてお話ししていただきました。

講演を聴きながら特に感じたことが、自分自身の不勉強さに改めて気づき、恥ずかしい思いがしたということです。一つはアイヌ民族の歴史に対する認識の問題です。日本の地名には古くからアイヌの地名が多く残っていることやアイヌ民族は1万年の歴史を持っていると話されたことなどから先住民族の意味と歴史をきちんと学習しなければならないと感じました。もう一つは、関東には1万人以上、北海道には10万人のアイヌの人たちがいるが、自らがアイヌの民族として名乗っている方は3千人ほどであると話されていたことです。この差別の厳しさはアイヌ民族の問題を正しく認識しようとしてない私たちが作っているということ、「ヤマト」の人たちに問われていることなのだと改めて思いました。

最後には、一緒に参加していただいた旭川アイヌ協議会の杉村フサさん、太田奈奈さんとともにポロ・リムセ(大きな輪の踊り)や知り合いになったときの挨拶の踊りなど歌舞を参加者全員で踊りました。歌と手拍子だけでしたが、見るものではなく一緒に楽しむものというアイヌの人たちの生活や文化の一端に触れ、短い時間でしたが素敵な交流をもつことができました。

2010年8月4日水曜日

人種差別撤廃委員会に政府の不当な対応を報告 Reporting to CERD on the Japanese government's unreasonable treament

8月2日~27日、ジュネーブにおいて第77会期人種差別撤廃委員会が開催されています。 

同委員会は、今年3月に日本政府の人種差別撤廃に関する報告を審査し「有識者懇談会や各種の協議体におけるアイヌの人々の参画が不十分なこと」「先住民族の権利に関する国連宣言の実施に向けて、これまで限られた進展しか見られないこと」などの懸念を表明し、勧告を行いました。

この日本政府の姿勢に対する現状認識は、私達が先住民族アイヌの権利回復署名に取り組んだ問題意識と本質的に重なり合います。しかし、日本政府(内閣官房アイヌ総合政策室)は、私達の署名提出の申し入れに対してその受理さえ拒み(最終的には6月7日に605団体・16072筆を提出)、今もチャランケを拒んでいます。この姿勢は、同委員会の懸念や勧告を門前払いすることと等しい態度です。

今回は、同委員会で日本は審査対象になりませんが、同委員会に対してこの間の日本政府の態度の報告とその姿勢を正す協力要請文を7月28日に送付しました。

先住民族アイヌの権利回復をかちとることは、アイヌと日本政府の間の問題にとどまらず、世界に普遍的な人権と民主的権利、そして正義をうちたて、あらゆる民族が平等・対等で人間的な信頼関係を切り結ぶ未来を切り開くこととも連なります。日本政府が人種差別撤廃委員会の懸念を無視し、上記のような姿勢を取り続ける事は国連・人権理事国である責任においても許されません!!

人種差別撤廃委員会への協力要請文はこちらの⑦をご覧ください。


The Committee on the Elimination of Racial Discrimination (CERD) is holding its 77th session between August 2nd and 27th.

On March 16th, 2010,in Section C (Concerns and recommendations) of CERD's concluding observations, Item 20 shows CERD’s concerns about “the insufficient representation of Ainu people in consultation fora and in the Advisory Panel of Eminent Persons” and “the limited progress so far towards implementing the UN Declaration on the Rights of Indigenous Peoples”.

We, too, have strong concerns about the attitude of the Japanese government pointed out in CERD’s observations However, the Japanese government (Ainu General Affairs Office of the Cabinet) declines our offers to participate in charanke (dialogue) and even refused to receive our petition. With persistence we were able to physically hand the petition (16,702 individual signatures and 605 organizational sponsors as of June 7th, 2010) over to a member of the Ainu General Affairs Office. This attitude of the Japanese government shows that it has decided to look the other way when it comes to the March 16th recommendations made by CERD.

We understand that Japan is not listed as the State to be considered in the 77th session. However, we submitted the letter to report on the the attitude of Japanese government and ask for CERD's further support on July 28th, 2010.

The struggle to restore the rights of the indigenous Ainu is not just an issue between the Japanese government and the Ainu people, but is related to the entire world as our success would illuminate the achievement of universal human rights and justice legislation and open the world up to a future where all peoples have equal, humanistic, trusting relationships. Considering the Japanese government’s position as a member of the UN Human Rights Council, its attitude of denial cannot be permitted to continue.

Click here to see our request letter to CERD.