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2012年4月29日日曜日

アイヌ副読本問題「抗議並びに申し入れ」


2012年4月26日
国土交通大臣  前田 武志 様
(財)アイヌ文化振興・研究推進機構 理事長  中村 睦男 様
文化庁長官  近藤 誠一 様
文部科学大臣 平野 博文 様
北海道知事 高橋はるみ 様


旭川アイヌ協議会、アイヌ民族の権利を取り戻すウコ・チャランケの会、アイヌ・ラマット実行委員会、埼玉教職員組合、埼玉高等学校教職員組合、全国労働組合連絡協議会、石川洋子(ペウレ・ウタリの会会長)、弥永健一(数学者)、岩崎正芳(埼玉人権協事務局次長)、上原成信(沖縄一坪反戦地主会関東ブロック顧問)、宇梶静江(アイヌ・ウタリ連絡会代表)、小笠原信之(ジャーナリスト)、金 時鐘(詩人)、金 東鶴、辛 淑玉(被差別日系研究所)、谷口 滋(前東京教組委員長)、土井 彰(東京教組書記長)、中山千夏(作家)、朴 慶南(エッセイスト)、長谷川和男(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会事務局長)、平田 幸(レラの会代表)、松島泰勝(龍谷大学教授)、丸山未来子(おんな組事務局)、森本孝子(平和憲法を守る荒川の会共同代表)、梁 澄子(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動2010共同代表)


抗議並びに申し入れ

 アイヌ民族に関わる貴官庁の努力に対する敬意とともに益々の発展を祈念いたします。
 
 さて、昨年12月以来、道議会において一議員が㈶アイヌ文化振興・推進機構(以下、財団)発行の小・中学生用副読本「アイヌ民族:歴史と現在―未来を共に生きるためにー」に対する質疑を繰り返すと共に、先住民族アイヌに対する差別と加害の歴史の改ざんに向けた政治介入が行われてきました。その結果、財団はそうした政治的な圧力に屈して327日付文書「平成23年度版『アイヌ民族:歴史と現在』について(通知)」を全国の教育委員会に送付し、副読本の記述の「修整案」を示して記述の削除と修整を求める異常な事態が進行しています。また副読本の編集委員会が解散させられ、現在、新たな編集委員の選任が行われています。そのことは、「修整案」にとどまらない今後発行される副読本の歴史記述の全面的な改ざんにつながるのではないか、その危険性が強く懸念されます。

私達は、こうした一議員、行政機関、財団などによる副読本への異常な政治的介入に驚くとともに、こうした強権的な歴史の改ざんをやめて早急に撤回することを抗議と共に強く要求します。

言うまでもなく、私達は副読本が子ども達にとってよりわかりやすく正確に記述されることを拒むものではありません。これまでも副読本の改善は重ねられてきましたし、その結果、とりわけ現行の副読本は内容も充実してわかりやすく、新聞でも報道されたように配布希望者が急増して在庫が足りなくなるなど社会的に高評価を得ていました。それは、現行副読本の編集委員会が、アイヌ民族当事者や現場で教育実践を積み重ねてきた教員で構成されていたことと無縁ではありません。そうした成果が、不当な政治介入で無にされることを私達は恐れます。もし、仮に修整が必要な点があるならば、政治的圧力のない環境の中で、アイヌ民族の意見を尊重し編集委員会の義務と責任において真摯に議論され行われるべきです。

 今回の「修整案」では、小学生用副読本に関して6か所、中学生用副読本に関して5か所の削除・修整が示されています。(その中には、用語の正確化など前述のように修整が検討されても合理性のあるものも数か所あります。)
 
 同議員は道議会の質疑において、小学生用副読本の「1869年に日本政府は、この島を『北海道』と呼ぶように決め、アイヌの人たちにことわりなく、一方的に日本の一部としました」との記述をやり玉にあげて「アイヌの方々が先に北海道に住んでいて、それを日本人が奪ったという誤った認識が広がっているので、それは違うとしっかりと広報してもらいたい」などと発言しています。それは道庁の「北海道本島は日本固有の領土」(19931月・参議院の政府答弁書)との答弁も踏み台にしたものです。その結果、副読本の「修整案」では「一方的に日本の一部とし」の部分が小・中学生用共に削除が求められています。これは後述のようにアイヌ民族に対する差別であり加害の歴史の改ざんに他なりません。

道庁の議会答弁では「日本固有の領土」論の根拠は、「ロシアとの国境画定において我が国固有の領土であることが前提であった」(同答弁書)ことにおかれています。しかし、20079月に『先住民族の権利に関する国連宣言』が第61期・国連総会で採択され全ての国がこれを受諾している現在、この先住民族アイヌの存在と「自決権」(同宣言第3条)を否定する主張の差別と不当性は国際的にも一層明瞭になっています。こうした先住民族差別は世界の先住民族に共通する経験であり、国連宣言ではまずそうした先住民族の国境内植民地化を「歴史的不正義」と断定しています。

道議会でのアイヌ民族への加害の歴史を全面否定し、歴史を逆戻りさせるような主張と政治的圧力、それに言われるがままの感のある道庁の地方自治体としての独自の責務の放棄、それを指示する関係行政組織や財団の対応はアイヌ民族に対する差別そのものです。同答弁書の中には「具体的にいつ我が国の領土になったかは明らかではない」「(アイヌが)古くから住んでいたことは文献等で通説になっている」などと政府自ら主張の不当性を示す記述をすでに行っています。

また同議員は「国連が先住民というのと我が国がいう先住民は違う」と発言していますが、歴史の改ざんをやめ、アイヌ民族を真に先住民族として認めることこそが、アイヌ民族と日本人が対等・平等で人間的な信頼関係を切り結ぶ出発点です。これは人種差別撤廃条約を批准し、現在、同委員会から「国連宣言」の規定した全般的な権利の実施の検討を勧告(20104月)されている日本政府の責務でもあります。
 
「修整案」はさらに、小学生用副読本の「・・・抗議してきました。アイヌ民族のうったえによって1997年に②だけは『アイヌ文化振興法』と呼ばれる法律になりました」の文章で「アイヌ民族のうったえによって」の削除を示し、また、中学生用ではアイヌ福祉対策に関して「この政策は国ではなく、北海道が行うために、これらの制度は北海道内だけで実施されるという矛盾を生んでいる」との記述を「これらの制度は北海道内だけで実施されている」と修整することが示されています。これらはアイヌ民族の独自の存在を否定し、また現行のアイヌ対策の国による差別制度の責任を棚上げするものです。

 私達は、本来、副読本(教育)に対する強権的な政治的介入は許されるべきものではないと考えますし、この間の異常な政治介入で進められている副読本の歴史認識の削除・修整が、アイヌ民族と日本人の子どもたちが「未来を共に生きるため」の歴史観を培うとはとうてい考えられません。このアイヌ民族に対する歴史の改ざんは、先住民族差別を温存し日本人を歪めるものです。これはまさに日本人問題です。副読本に関わる行政組織・財団は、早急に副読本に対するあらゆる政治介入をやめ、歴史認識の改ざんを撤回し、アイヌ民族を真に先住民族として認め、正しい歴史観を培うことのできる副読本の発行と施策を行うことを強く要求します。




2011年2月27日日曜日

4・3講演集会「世界から見た日本―多民族多文化共生の現在」にご参加を!!

先住民族アイヌの権利回復が最大のピンチを迎え、また朝鮮学校の無償化からの排除、沖縄民衆の意思を蹂躙する米軍新基地建設の動向など、日本政府自らが先住民族・マイノリティーの権利はく奪をけん引する深刻な事態が進行しています。こうした事態に対して、私達は「国連人種差別撤廃委員会の勧告を実現!」を掲げて2月19日に集会を開催し、アイヌ・「在日」・沖縄、そして日本の民衆が日本の根っこの問題として繋がり声をあげてきました。

そうした中で、日本人・日本社会の民族排外主義の根幹にある単一民族国家観(皇国史観)を克服するために、日本近代を見つめなおし先住民族・マイノリティーの共通の困難と差異に関する認識を深めることの大切さを実感しています。先住民族の権利回復の中心は、「特に生得の権利である土地と資源、そして領域」の回復です。台湾・朝鮮・中国等への植民地支配は認識しながら、先住民族アイヌの権利回復に無関心な日本人・日本社会のありようは、単一民族国家観(皇民化)の根深さを如実に表しています。また、そのことがアジアへの植民地支配・同化政策への日本人の無責任さを支え強めています。私達は近代天皇制国家のアイヌ・アジアに対する植民地支配・同化政策の徹底した歴史的責任の追及の中で自らの歴史を取り戻し、それを克服することが求められています。4月3日には、そうした問題意識をもちつつ森原秀樹さん(反差別国際運動(IMADR)・前事務局長、アムネスティ・インターナショナル日本元スタッフ)と宇佐照代さん(レラの会)を迎え、「世界から見た日本」をテーマに講演集会を開催したいと思います。ぜひ、ご参加ください!!アイヌの歌舞、トンコリ演奏も予定しています。


2011年2月26日土曜日

2011年2月4日金曜日

政府と国会議員に「先住民族アイヌの権利回復・審議会の設置」を要請!!―国連人種差別撤廃委員会の勧告の実現を!


アイヌ政策推進会議の報告が3月にも出される予定になっています。

その内容は、アイヌ民族に対する植民地支配の歴史的責任を否定した上で、「先住民族の権利に関する国連宣言」に基づく権利回復は切り離されています。すでに昨年3月には、国連人種差別撤廃員会がその作業内容を審査して懸念を表明し、先住民族国連宣言に基づく権利回復を協議すら新たな作業部会を設置することや、もっとアイヌの代表を増大させることなどを日本政府に勧告しました。この勧告の内容は、まさに私たちが署名で求めた2項目と同じ内容です。

しかし、政府はその勧告を無視しており、このままでは3月の報告書の発表で、政府・議員・マスコミなどは「アイヌの権利の見直しは終わった」とのキャンペーンがはられ、権利回復は数10年後へ・・・となりかねません。

そこで私達は、下記のように政府と国会議員に対して、国連人種差別撤廃委員会の勧告を実現すること、先住民族国連宣言に基づくアイヌ民族の権利回復・審議会の設置を要求して要請を行うことになりました!

●要請団体:旭川アイヌ協議会(会長 川村シンリツ・エオリパック・アイヌ)、アイヌ・ウタリ連絡会(代表 宇梶 静江)、東京アイヌ協会(会長 星野 工)、ペウレ・ウタリの会(会長 石川 洋子)、レラの会(会長 石原 修)、原住、アイヌ民族の権利を取り戻すウコチャランケの会(代表 石井ポンペ)、アイヌ民族有志、国連人種差別撤廃委員会の勧告を実現!実行委員会〈呼びかけ人・団体〉 旭川アイヌ協議会  アイヌ・ラマット実行委員会 おんな組いのち 小笠原信之(ジャーナリスト) 金澤 壽(全労協 議長) 金 時鐘(詩人) 佐高 信(週刊金曜日編集人) 辛 淑玉(人材育成コンサルタント) 田中優子(週刊金曜日編集人) 谷口 滋(元東京都同和教育研究協議会会長) 中山千夏(作家) 朴 慶南(エッセイスト) 丸山未来子(おんな組いのち 事務局) 

政府・国会議員への要請書はこちら◆◆◆

先住民族アイヌの権利回復署名呼びかけ人がさらにパワーアップ

署名呼びかけ人に、新たに弥永健一(数学者)(いやながけんいち)さんが加わってくれました。弥永さんは故・チカップ美恵子さんのアイヌ肖像権裁判を支援されるなど、チカップ美恵子さんらとともに先住民族アイヌの権利回復に大きな教訓と財産を残されています。呼びかけ人はさらにパワーアップ!署名の実現まで前進したいと思います。

呼びかけ人・団体
旭川アイヌ協議会 アイヌ・ラマット実行委員会 おんな組いのち 弥永 健一(数学者)  小笠原信之(ジャーナリスト) 金澤 壽(全労協 議長) 金 時鐘(詩人) 佐高  信(週刊金曜日編集委員) 辛  淑玉(人材育成コンサルタント) 田中 優子(週刊金曜日編集委員) 谷口 滋(前東京都同和教育研究協議会・会長) 中山 千夏(作 家) 朴  慶南(エッセイスト) 丸山未来子 (おんな組事務局)

2010年11月30日火曜日

2・19「国連人種差別撤廃員会の勧告を実現!-先住民族アイヌの権利回復・審議会の設置!「在日」・沖縄・あらゆる差別撤廃!」集会に賛同を!

先住民族アイヌの権利回復署名は,皆さまのご協力で720団体・22000筆が集約されています。アイヌの権利回復に、このように広範や労働組合・市民団体の連帯の意志が結集したのはおそらく初めてのことだと思います。みなさまに心から感謝いたします。

さて、現在進行しているアイヌ政策推進会議の報告が来年3月にだされるスケジュールとなりました。その内容は、アイヌ民族に対する植民地支配の歴史的責任を否定した上で、「先住民族の権利に関する国連宣言」に基づく権利回復は切り離されています。すでに、今年3月には国連人種差別撤廃員会が、その作業内容を審査して懸念を表明し、国連宣言に基づく権利回復を協議すら新たな作業部会を設置することや、もっとアイヌの代表を増大させることなどを日本政府に勧告しました。この勧告の内容は、まさに私たちが署名で求めたことと同じ内容です。

しかし、政府はその勧告を無視しており、このままでは来年3月の報告書の発表で、政府・議員・マスコミなどは「アイヌの権利の見直しは終わった」とのキャンペーンがはられ、権利回復は数10年後へ・・・となりかねません。

そこで、先住民族アイヌの権利回復署名の呼びかけ人・団体が呼びかけて、2011年2月19日(土)に星陵会館ホールを会場において「国連人種差別撤廃員会の勧告を実現!-先住民族アイヌの権利回復・審議会の設置を!「在日」・沖縄・あらゆる差別撤廃!-」集会を開催することとなりました。また、国連人種差別撤廃委員会の勧告は、「在日」・沖縄などに対する差別にも懸念を表明して勧告を行っており、日本の根っこの問題として繋がっており、あらゆる差別撤廃!の訴えを共に大きく声をあげていきたいと思います。この集会には多大な資金や力が必要であり、みなさまに集会への参加・賛同をお願いする次第です。よろしくご協力のほ お願いいたします!


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●2・19集会賛同には、下記の項目を記入し、上記の連絡先にFAX、Eメール、郵送で連絡し、別途賛同費を振り込んで下さい。またチケット(金券)が必要な方は、必要枚数と1枚・1000円のカンパの振り込みお願いいたします。
団体・名個人名(          )肩書・所属等(        ) 
口数(   )口
連絡先(〒                      ) 
TEL(               )     
Eメール(                  )   
*賛同個人1口・1000円 団体1口・3000円  
チケット必要枚数(     )枚
【賛同費の振込先】  (*賛同団体・個人には個人1枚、団体3枚のチケットをお送りします。口数に関係なく)
ゆうちょ銀行 口座 00140-2―592111 
加入者名 アイヌ・ラマット実行委員会
金融機関からの振込口座 〇一九(ゼロイチキュウ)店(019) 
当座 0592111


【2・19集会概要】


① 主催   国連人種差撤廃廃委員会の勧告を実現!実行委員会

(呼びかけ人・団体)
旭川アイヌ協議会 アイヌ・ラマット実行委員会 
おんな組いのち 岡 大学 講師)小笠原信之(ジャーナリスト)
金 時鐘(詩人) 佐高 信(週刊金曜日編集人)
辛 淑玉(人材育成コンサルタント) 田中優子(週刊金曜日編集人) 
谷口 滋(元東京都同和教育研究協議会・会長) ニファー
中山千夏(作家) 朴 慶南(エッセイスト) 金澤 壽(全労協 議長)
丸山未来子(おんな組いのち事務局)

【連絡先】(TEL・FAX)03(3860)2156  (Eメール) md_ramat@ybb.ne.jp(出原)


② スケジュールについて

・集会 (日時)2011年2月19日(土)

(午後1時)開場(午後1時30分)開演~(閉場)午後4時30分

(会場)星陵会館ホール(東京都千代田区永田町2-16-2 TEL03-3581-5650) 

・終了後デモ  


③ 2・19集会内容 (全体で2時間40分~50分)   
入場カンパ・1000円

●集会名称        国連人種差別撤廃委員会の勧告を実現!

ー先住民族アイヌの権利回復・審議会の設置を!「在日」・沖縄あらゆる差別撤廃!―

ケウトム ピリカ ウタラ アン テケ アンパロ

アルムダウン マウムロ ウリ ソヌル チャプ チャ

美しい心で    我らは    手を  つなごう


・上記の主旨の集会と歌舞の2部構成

【集 会】

アイヌ民族の発言:

川村シンリツ・エオリパック・アイヌ(旭川アイヌ協議会会長)
宇梶 静江(アイヌウタリ連絡会代表)
石井ポンペ(原住、アイヌ民族の権利を取り戻すウコチャランケの会代表)
星野  工(東京アイヌ協会会長)
岩渕 一磨(釧路)

署名他報告: 

出原 昌志(アイヌ・ラマット実行委員会共同代表)

「在日」から:

梁 澄子(在日の慰安婦裁判を支援する会)

沖縄から: 

上原 成信(沖縄一坪反戦地主会関東ブロック 顧問)

教育現場等:

長谷川和男(「高校無償化」の朝鮮学校排除を許さない!全国集会実行委員会)
谷口 滋(元東京都同和教育研究協議会 会長)


(休 憩)5分


【歌 舞】

中山千夏 (コーディネーター) 出演者の対話も
李 政美 (歌)
石井ポンペ(ポンコリ演奏・歌)

古式舞踊(旭川・首都圏のアイヌ)
旭川チカップニアイヌ民族文化保存会(5人)、レラの会(3人)、東京アイヌ協会(2人)、ペウレ・ウタリの会会長(1人)、関東ウタリ会(1人)


集会後デモ